【2007年9月の言葉】


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人生の中にも試験はたくさんありますね。
人生の試験は応用問題ばかり、人と人との交わり方、人の心のつかみ方・・・・。
活字と対決の勉強からは学べない。
私は社会人になって、子供の頃、あの環境で本当に良かったと思っています。

もちろん、自ら進んで勉強をしたくて、したくて、しょうがない!と食い入るように勉強に自分自身を投入できる人は別ですよ。それは“勉強”をしているのではなく、“好きなこと”をしてるんですもの。
好きでする勉強は、どうしたら学べるか、知りたいことをいかに調べるか、自分自身で試行錯誤し、対応策を考えているのね。

私が言いたいのは、勉強したくないのに、詰め込みの勉強をさせるのはどうかな?ということよ。
だから、もし、今これを読んでくださっている中のお母さんが、詰め込みの勉強をさせていらっしゃるなら、少し考えてみてくださいね。と言いたいの。

勉強ができなくたって、すばらしい人はたくさんいるわね。
子供には何でもいいから一つに自信を持たせることが大切だと思うの。
好きなことをどんどんさせて、自信をどんどん引き出していくの。
自信のつく言葉をその子の中から探して、たくさん並べてあげてくださいね。

例えばうちの孫の男の子ですが、ものすごくケンカに強くて、問題にされるぐらいなんですが、私はそれを褒め称えてあげるの。
なんでも「偉い!偉い!」って。(笑)
問題を起こして、先生の叱られても「偉い!」ってね。
それは、その子の自信につながるエネルギーだと私が思っているからです。

ただ、勉強の力で自信を持たせるのは、高学年になってからで十分だと思っています。
高学年になると、好きな子は自分から勉強を始めるでしょう?
それからで十分です!

あまり小さい頃から、勉強を押し付けられると、いつか行き詰まって、閉じこもりの心を作ってしまうような気がします。そうなるととても可哀想じゃないかしら?

だから私も息子に勉強しろと言った事は一切無いの。
でも、そんな息子が成長する中で「ああ、この子は大丈夫!」と思ったことが何度もあったの。
その中の一つを公開させてくださいね。

息子が高校生の頃、自分もクラスメートも一生懸命勉強をしている時に、同じクラスでスポーツの大好きな青年が一人で運動場を走り出したそうです。
「先生も呆れて、唖然とした顔で注意もできなかったのは、走っている彼の信念が通じたのかな?」と言っておりました。そうして、最後に「あれほど強く、自分の意思を通して、皆が勉強していることに対して、たった一人で運動場を走れるその姿を見て、あいつはすごい男になるんじゃないかと思ったよ!僕はその子が羨ましいほどだ。」と話してくれたとき、“人の心の中身をきちんと見られる”あなたのその目も素敵よ!と心の中でつぶやいて“あなたは大丈夫よ”と私は安心したものです。

こんな風に、勉強だけではなくいろいろな見方があっていいのではないかな?
誰もやらないことを、一人でできるような強さだけではなく、優しさやセンスもあるわね。
その子の中から引き出してあげられるものが、必ず一つはあるんじゃないかな〜?
今となっては、会社の仕事だけでなく、自分の仕事もし、多くの方から私以上に認められている息子に十分満足し、誇りに思っています。

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(C)yoshikawa