吉川社長の今月の言葉


2008年6月の言葉『温故知新』


『温故知新』

口に味を満喫

胃に一ぱい食セル今

心と脳に 今 栄養貧する

バランスの 温故知新

吉川幸枝

『温故知新』

「ゴマすり男」って、何で言うか知ってる?
実はゴマ豆腐からでたのよ。

ゴマの生(昔は畑から採りたてのゴマを使ったものです)は黒ゴマでも中は真っ白なプリン体です。                                   
白いゴマの中も、やはり真っ白なプリン体です。
生のゴマは、女性では潰しきれないの。
だから、昔は男のがゴマをすったのよ。
すり潰してもゴムみたいな皮を傷つける程度です。
その傷ついたところからプリン体が流れ出るの。
それにだし汁を足して、水分を多くして、ネルの生地でこすのです。
すると、真っ白な液になります。
それを豆腐仕立てにします。

そして、料理の席で、お偉い方に
「今日は黒ゴマですか?」と聞かれたら、
たとえそれが白ゴマで作った豆腐でも、
「さようでございます。よくお分かりですね、貴方様は!」と答えて
黒を白とでも言い、白を黒とでも言い、
お世辞を言って相手を褒めて上手に言うことを“ゴマすり男”というの。
このようにゴマ豆腐から出た言葉なのですが、写真のように真っ白なのよ。

今はその言葉の意味は無くなってしまいました。
なぜなら、ゴマを炒って使うようになったからです。
炒ると皮まで粉になるので、すり潰すと
黒ゴマは少しねずみ色になって、白ゴマは少し茶褐色ですよね。

生で作るゴマ豆腐を作らなくなったので、
なぜ、“ゴマすり男”と言ったのか、分からなくなっているでしょう?
女では生のゴマは潰せないから男しかすらなかったの、
だから、“ゴマすり女”ではなくて、“ゴマすり男”なんですよ。

今のように練りゴマで作ってしまえば、20〜30分でできてしまいます。
でも、昔からの伝統的な方法である生のゴマで作る場合は5時間以上かかります。
だから、最近は男でもあまり作りません。
でも、忘れられてはいけないので、
よし川では一生懸命作っています。
生のゴマの場合は、捨てる皮がたくさん出ます。
豆腐を作るプリン体よりも何十倍もありあす。
あの小さなゴマ粒の中の一滴しか使いません。
この一滴が私たちの生命体にとって大切なものです。
こんな本当のゴマ豆腐こそ体に大切なものです。
古き良きことを継承する尊さはあると信じています。

ゴマが健康にいい!と言われていますが、
皮の中にある白いプリン体こそ、本当に体に大切なものです。

料理だけでではなく、人生においても
ちゃんとした人生の生き様の継承を受ける機会がある人は幸せですよね。
ですから、素晴らしき先輩からの継承は無駄ではないので、
受けましょうね。

本当を知って、新たなるものを見つけた時、
それが本当の新しいこと。
何も知らないで新しいことをしたと思っても、
それはとんでもない古い昔に捨てられたことかも知れないのよ。
だから温故知新ってこんなことではないかしら?

身近なゴマ豆腐のことすらこんなに知られていないなんて・・ね。

よし川幸枝

よし川の胡麻豆腐

胡麻豆腐の作り方

胡麻豆腐の作り方

胡麻豆腐の作り方

 

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