吉川社長の今月の言葉


今年のテーマ 「命生き生き輝いて」

2007年9月の言葉『秋の実り』


多くの動物、鳥、人間に飲まれて
苦しさを通り過ごし
ふみつぶされたり

なれど、必ず芽を出す
すばらしき種(子孫)

誰がために花は咲く
子々孫々残すがために

その花びらの中に包まれて育つ種(子)達

うすき皮(母)なれど
一ぱい子宝包み込み

よし川幸枝

『秋の実り』

実って種を作るわよね。
その種は人間に置きかえると自分の子供ですね。

今月は、私が親子関係で一生懸命作り上げてきたことを、力を込めて書いているから、長文だけど飽きずに最後まで読んでね。

私、吉川幸枝がどうしてこんなに自信をみなぎらせる事ができたかというと、
それは母の教え、育て方があったからだと思っています。

母と一緒に住み込みで働きながらの生活で、富士中学に行き、旭丘高校に受かってしまったの。
今から55年ほど前なので、昔のことだと言われるかもしれませんが、
今の子供たちを見ていると「勉強の仕方、あり方が間違っているんじゃない?」って思ってしまうの。

母は、学校から帰るとカバンを玄関に放り出して遊びに行く私に
「勉強も大切だけど、女はもっと大切なことがあるのよ」と教えてくれました。
それは、“横着はいくら横着してもいいけれど、行儀の悪いのはいけない!“ということでした。
行儀とは例えば、箸の持ち方や戸の開け閉め、靴の脱ぎ方や挨拶などでした。
心の行儀=気づき、人への気遣いに特に厳しくて、その他にもいろいろ教えてくれました。
心の行儀の中で一番大切に教えられたのは親子の関係でした。
母がおばあちゃん、おじいちゃん(母の父と母)を大切にする姿を見て育ちました。
親を大切に!これができれば何でも成功できるよと教えられました。
そう思い込まされて来た私は、そう思い込んで、今があります。

また、私が試験に強かったのは、私がガリ勉ではなかったからだと思っています。
というのも、住み込みであったので、登校前に働いて、学校へ行き、帰ってからも働かなければいけませんでした。
そんな環境だったので、勉強どころか、宿題をする時間さえありませんでした。
それが私にとってとてもいい体験でした。
高校受験の時も、私よりうーんと成績の良かった人が、旭丘をすべって、うんと下位の勉強のできなかった私が試験に受かってしまったんですが、その理由が今、よくわかります。

私は学校で先生の言っていることを聞かないと、家では一切勉強をする時間がなかったので、先生の言われることを一つ一つつぶさに聞いたの。
そうして聞いているとね、先生は説明の後、決まっていろいろな場面での応用の仕方を話してくれたの。特にそれを一生懸命聞いていたのよ。
試験って今までの勉強を少しひねって、応用を効かせてあることが多いでしょ?
だから私は応用問題の多い試験に強かったのね。

逆に、家へ帰って「勉強!勉強!」と言われる人は、授業中に油断して集中せず、帰ってからできると思う。そうすると対話するのは、人の言葉ではなく本の活字でしょ?
だからちょっと変化し、外れると応用が効かなくなるの。
人生の中でも応用の効かない人間になってしまうような気がするの。

人生の中で大切なのは、人や物事、自然との対話でしょ?
命あるものは全て変化をするわね。
それらに対応したり、心通わせたりすることで、人生のくぐり抜けができ、応用が効く人生観を持てるんだと思うわ。

人生の中にも試験はたくさんありますね。
人生の試験は応用問題ばかり、人と人との交わり方、人の心のつかみ方・・・・。
活字と対決の勉強からは学べない。
私は社会人になって、子供の頃、あの環境で本当に良かったと思っています。

もちろん、自ら進んで勉強をしたくて、したくて、しょうがない!と食い入るように勉強に自分自身を投入できる人は別ですよ。それは“勉強”をしているのではなく、“好きなこと”をしてるんですもの。
好きでする勉強は、どうしたら学べるか、知りたいことをいかに調べるか、自分自身で試行錯誤し、対応策を考えているのね。

私が言いたいのは、勉強したくないのに、詰め込みの勉強をさせるのはどうかな?ということよ。
だから、もし、今これを読んでくださっている中のお母さんが、詰め込みの勉強をさせていらっしゃるなら、少し考えてみてくださいね。と言いたいの。

勉強ができなくたって、すばらしい人はたくさんいるわね。
子供には何でもいいから一つに自信を持たせることが大切だと思うの。
好きなことをどんどんさせて、自信をどんどん引き出していくの。
自信のつく言葉をその子の中から探して、たくさん並べてあげてくださいね。

例えばうちの孫の男の子ですが、ものすごくケンカに強くて、問題にされるぐらいなんですが、私はそれを褒め称えてあげるの。
なんでも「偉い!偉い!」って。(笑)
問題を起こして、先生の叱られても「偉い!」ってね。
それは、その子の自信につながるエネルギーだと私が思っているからです。

ただ、勉強の力で自信を持たせるのは、高学年になってからで十分だと思っています。
高学年になると、好きな子は自分から勉強を始めるでしょう?
それからで十分です!

あまり小さい頃から、勉強を押し付けられると、いつか行き詰まって、閉じこもりの心を作ってしまうような気がします。そうなるととても可哀想じゃないかしら?

だから私も息子に勉強しろと言った事は一切無いの。
でも、そんな息子が成長する中で「ああ、この子は大丈夫!」と思ったことが何度もあったの。
その中の一つを公開させてくださいね。

息子が高校生の頃、自分もクラスメートも一生懸命勉強をしている時に、同じクラスでスポーツの大好きな青年が一人で運動場を走り出したそうです。
「先生も呆れて、唖然とした顔で注意もできなかったのは、走っている彼の信念が通じたのかな?」と言っておりました。そうして、最後に「あれほど強く、自分の意思を通して、皆が勉強していることに対して、たった一人で運動場を走れるその姿を見て、あいつはすごい男になるんじゃないかと思ったよ!僕はその子が羨ましいほどだ。」と話してくれたとき、“人の心の中身をきちんと見られる”あなたのその目も素敵よ!と心の中でつぶやいて“あなたは大丈夫よ”と私は安心したものです。

こんな風に、勉強だけではなくいろいろな見方があっていいのではないかな?
誰もやらないことを、一人でできるような強さだけではなく、優しさやセンスもあるわね。
その子の中から引き出してあげられるものが、必ず一つはあるんじゃないかな〜?
今となっては、会社の仕事だけでなく、自分の仕事もし、多くの方から私以上に認められている息子に十分満足し、誇りに思っています。

勉強ができる、できないなんて、小さなことではなく、
どんな人間に育っていくのかを見つめる力を持つお母さん!というのはどうかなぁ。
とっても大きな子ができると思うんだけどな〜。
今は多くの人が同じ方向に走りすぎているような気がします。
みんなが勉強している中でも、一人運動場を走っていける、そんな強い心の子も育って欲しいな〜。

学校の先生やお母さん。
子供たちを絶対に信頼してあげてね。
そうしたら信頼に応えてくれると思うよ。
形とかならわし、流行に頼らず、自分に自信を持って、信念を持っていくことが、子供の心がほぐされ、幸せにつながっていくと思うな〜。

私の母は子供の自慢ばかりしたのよ。
私なんて勉強が好きではなかったのにね(笑)。
母はいつも、
「うちの家系は先祖代々優秀だから、あなたも絶対大丈夫!」
「あなたは特別なの!特別に作ってあるんだから!」
っていう具合に言うの。
「どこが特別なの?」って思ったぐらいよ(笑)。
そうやってことあるごとに、私のことを信頼している言葉を言ってくれたの。
それがあって、今の私があると思うの。

だから母の考え方や育て方には“感謝”しかないので、今月はこのように書いてみました。
今、我が家は嫁孫共に暮らして、大勢の家族。
幸せってこれだ!と思う心で書きました。
こんな家庭を作るための一生懸命でした。



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