【2009年9月の言葉】


“厳しさは人格をつくり、叩きは忍耐をつくる”

 

今月は我が家のひと扉を開けて覗いてくださいね。

我が家の教育は“叩き”もありです。
孫が六つまでという条件で父である息子が、悪いことやしてはいけないことをした時は、
体に青あざができるほど叩きました。
言葉で説明しても分からない時期ですね。
泣けば泣くほど叩かれました。
甘い私は、助けの目を向けられると、逃げるようにその場を立ち去りました。
ハイハイしかできない頃の孫は、父親が笑顔の時はやたらとまとわりついていきますが、
自分のことではなくても父親が大声を出すと、後ずさりしながらカーテンの中に隠れてしまったの。
隠れたといっても、手が出たり、足が出たりしているけれど、
自分から父親の顔が見えなければ全身隠れていると思っているのね(笑)。

今、そのおかげで、その孫はちょっとやそっとでは泣きません。
外ではケンカに強すぎて、学校で問題にされるほどです。
それが私はとても嬉しいの。
勉強は教えてもらえますが、横着とワンパクは誰からも教えてもらえないものです。
小さい時、叩かれてしっかり身につけて痛さを知るからケンカも手加減ができ、
相手を殺してしまうようなことはないはずです。
先日も、孫(長男)が手術を受けることになった時、
痛いのでたいていの子どもは暴れるのでやりにくいと言われ検査を、
孫はジーと堪えていたら先生にすごく褒められ、本人は鼻高々で
「俺はお父さんに叩かれているので、この世の中でそれより痛いことはない!」と威張っていました。
でも、いざ手術が終わり出てくると「痛い、痛い」と泣きまくるので、
「何だ?今までの威勢は!」と笑えます。まだまだ子供ですね。

昔の軍隊の映画などでも叩かれるシーンをよく見ますね。
私はそんなシーンをたくさん見て、「なぜそんなに叩くのだろう?」という疑問がわきました。
親元を離れて、ただでさえ寂しく厳しい生活をしている若者に、
またその上にバンバン叩く、「なぜそんなことができるのか」疑問でなりませんでした。
そこで、いろいろ調べ戦争のことが書かれた本の中に答えを見出しました。
叩きの痛さ苦しさに耐える力と身体を養うことで、戦いの中で怪我をしたり病気になったり、
雨の中、雪の中、風の中、厳しい自然の中で苦しさや辛さを乗り越え生き残り、
何をしてでも国に戻れるようにという強い願いが込められたものだったのです。
生き残って帰って来られた多くの人達は、やはり厳しい鍛練の賜物であったと言っておられます。
今月は終戦記念日の月でもありますので、記念日にちなんで。

今でも孫たちは、父親の機嫌が悪かったり、声が大きい時などは、
何故かしら、笑えるんだけど同じほうの手と足を出した歩き方で、
3人そろって自分たちの部屋に戻ってしまうの。
こんな時は、なるべくそばにいないほうがいいと思うのね。
そんな我が家を見て、「今どき・・・軍隊見たいね」と言われています。

子どもの教育はね、今の時点だけを見て、答えを出さないでほしいの。
親はその子の人生の20年、30年先を見て教育すべきではないでしょうか。
手術後の孫の様子を見て改めてそう思いました。
父親に「よくやった」「頑張ったな」と言われると喜び、特に「偉かった」と褒めてもらえることが何より嬉しいので、
父親の前では何事も我慢して頑張ってしまいます。
でも、母親やおばあちゃん、私がいくら「よく頑張ったね、偉かったよ」と褒めても、
「痛いぞ〜、痛い!早くなんとかしてくれ〜、殺す気か〜」と大声て騒いているの。
先生たちには、あんなに大声がでるなら大丈夫、騒ぐほうが体力を使うのにと言われながら(笑)。
そして、痛み止めを入れてもらって落ち着き、夕方からぐっすり眠った翌朝には
「ハンバーグが食べたい」と言いながら、
出された朝食を美味しい、美味しいとモリモリ食べるぐらい元気になっていたのです。
泊まり込みで看病しないといけないと思っていた私は拍子抜けで、
それ以降お見舞いにも行っていません(笑)。
普通、6時間もの手術の翌日というのは、発熱をするものですが、孫は熱も出ませんでした。
その日、同じ病気で同じ年頃のお子さんも手術をされていましたがやはり発熱され、重湯を食べるのがやっとのこと。
孫は、これほど痛さに反応しないほどの強い身体になっていたんだと感動しました。
素晴らしいことじゃないですか?
小さい時はびっくりするほど泣き虫でしたので、息子が愛のムチで育ててくれた宝です。
男の子にとって父親は大きな存在ですね。
この結果は20年、30年先にこの子の人生となり、どのような答えを出してくれるのかが楽しみなの。

医学的にいうとね、人間は筋肉で覚えたことは一生忘れないけれど、
言葉でどれだけ深く理解できたとしても2日で忘れるの。
だから、注意しなければいけないことは、何度でも何度でも言い聞かせることです。
何度も言い聞かせると脳の海馬に届き、2ヵ月は忘れないようになります。
筋肉で覚えるというのは、例えば子供のころに自転車に乗れたり、泳げたりしたことは、
大人になっても自然にできますよね。
日本の伝統芸能でいうと歌舞伎などでは、3歳で初舞台を踏み、6歳で本格的な仲間入りをさせるほど、
しっかりと芸を身につけさせますね、
だから、梨園はこの先も続き続けるでしょうね。

先日も孫たちとボリジョイサーカスに行ってきました。
動物達の芸を見ながら、
「あのクマも犬も馬たちもみんな、調教師の人たちのムチと共に愛のアメとで育てられ、
他の動物よりみんなに愛され尊ばれているのよ」と励まし、言い聞かせました。
強い精神と強い気力は、強い身体から出るものですね。

これは我が家のしつけですけれど、
皆様のご家庭の中でも、それぞれいろいろな形で
人格づくりのしつけをしていらっしゃることと思います。
そのお子さんが20年後、30年後にすばらしい答えを出してくれるような
人格づくりのしつけをしてあげるのが親の責任ですね。

よし川幸枝

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